結構大変な半生だった猫ジャンキーのひとりごと。

うちの猫(大型元野良、短いカギ尻尾)の話や、物心ついた頃は毎日母から殴る蹴る、高校に入ったら姉が統合失調症発症して精神的サンドバッグに、そしてそれらが落ち着いたら鬱・強迫性障害のコンボに続いて悪性リンパ腫(縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫)が発覚、という三十路女なので、そのへんの経験から何かお役立ち情報を発信したりもできたらなー、といったブログです。

『幸せの箱』考……です、多分

 鬼滅の刃は無惨戦途中から最終回まで本誌で追っていたのですが、単行本に収録される前に語るのはあまり良くないかも知れないので、取り敢えず最終巻発売まで触れないようにしてました。
 が、「ネタバレにならない範囲なら別に良いよね」と思ったので、ちょっと単行本に収録済の内容について触れつつ毒親の愚痴もちらほら語ってしまおうかな、と。

 タイトル通り、善逸くんが獪岳さんを語る時に用いた『幸せの箱』についてです。

 辛い過去を持つ人が平穏や温かみを手にした時、二種類の反応に分かれる気がします。
 「あの頃に比べて、今はなんて幸せなんだろう」と感謝するタイプと、「あんなに辛い思いをしてきたのに、なんでもっと大きな幸せを手に出来ないんだ」と苛立つタイプです。善逸くんは前者、獪岳さんは後者でしょう。
 これはどちらが善でどちらが悪かといった対比ではなく、「どちらが満ち足りた日々を送れるか」といった違いでしかないと思います。
 特に獪岳さんは真面目に努力を積み重ねていたようなので、求める物が一層大きくなってしまうのも頷けます。
 桑島さんは贔屓をするような人ではないとの事ですし、どれほど努力しても一番に扱われることはなく、むしろ努力する程に望みと現状の乖離は悪化し、『幸せの箱』の穴は大きくなっていったのかも知れません。

 ここで、私の身近に居た穴の空いた『幸せの箱』の持ち主について、少し話させてください。
 まぁ母親の事なのですが。
 暴力的かつ支配的な父(私から見た祖父)と、弟(叔父)だけを溺愛して自分を放置する母(祖母)に育てられた母は、私が物心ついた頃からずっと不平不満を口にしていました。過去にも現状にもひたすら文句を言い続け、「自分にはもっと幸せになる権利がある」と。
 地元から遠く離れて生活している為に友人も居らず、もっぱら私が聞き役にされ、来る日も来る日も愚痴られる生活を長年続けていました。
 しかし彼女が獪岳さんと大きく違ったのは、自らが努力する事は無かったという点です。

 獪岳さんが不平を持つだけで努力を放棄するような人間だったなら、桑島さんも善逸くんも特別に思う事は無かったでしょう。例え原動力が現状への不満だったとしても、頑張れる人は尊く、努力を知る人間はその人の幸せを願います。

 例え善逸くんの願ったように肩を並べて戦う事を拒否したとしても、仲良くなれなかったとしても。『幸せの箱』に空いた穴に気付くなり、知らぬ間に空いた穴を塞いでくれる何かに出会うなりしていたなら。せめて、上弦の壱と出くわさなければ……
 気弱だけれど優しい善逸くんと対象的な存在である獪岳さんですが、そんな「もしも」を考えてしまいます。

 次に生まれ変われる時が来たなら、今度は穴の空いていない『箱』と共に望む幸せを手にして欲しい。そう願います。

#鬼滅の刃 


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